架台のモーダル解析です。下図中央は架台全体が剛体変位するモード(4.5[Hz])です。下図右は防振ゴムないしは空気ばねの振動伝達率です。通常の建物の2階以上の床振動の周波数は10[Hz]程度なので,この場合床からくる振動を遮断することができると考えられます。
架台 架台の振動モード 4.5[Hz] 防振ゴムないしは空気ばねの振動伝達率
下図左は加工ヘッドの振動モード(48.2[Hz])です。加工ヘッドが大きく首振りをして,加工精度が低下することが予測されます。下図中央のように筋交いを入れました。下図右に示したように振動モードは変わりませんがその周波数が88.6[Hz]と倍増し,加工ヘッドの振動が1/4以下になることが期待できます。
対策前の振動モード 48.2[Hz] 剛体アップのための変更点 対策後の振動モード 88.6[Hz]
このようにモーダル解析によって,床振動の伝達防止や装置の剛性アップのヒントを得ることができます。
参考文献
飯田 一嘉,振動・騒音低減のメカニズム,日本ゴム協会誌,64巻2号,p62-75,(1991)