下図にスピーカの動作を示します。コイルと磁石で振動を起こし,その振動をコーン紙に伝え,コーン紙が振動して音が放射されます。振動源と音源が同一でないことが特徴です。
スピーカが発する音を小さくする方法を考えます。まずコイルと磁石の振動変位を小さくすることが考えられます。これを振動源対策と言います。次にコイルと磁石の振動をコーン紙に伝わりにくくします。これを振動絶縁と言います。そしてコーン紙の振動を低減します。これを音源対策と言います。
このように騒音を小さくするには,振動そのものを小さくすることや振動が伝わりにくくする対策が必要です。
生産に使われる機械には,単位時間当たりの生産量増加が常に求められています。生産性向上ですね。このためには機械を速く動かすのですが,動かすだけでなく停止も速くする必要があります。つまり,急加速・急停止が求められます。これにより機械の振動が増大し決められた位置に精度よく停止させられなくなり停止精度が低下します。この結果,製品品質が低下します。
一方,製品品質の向上も常に求められています。このためには例えば加工の高精度化が必要です。高精度化は位置決め時間を増大させ,生産性を低下させます。
このように,生産性の向上と製品品質の向上は相反する関係にあります。この解決には,機械の振動低減が必要です。
当ラボでは長年生産機械を設計した経験を生かして,振動測定,実験モーダル解析,振動シミュレーションなどを用いて振動低減策を立案し,生産性の向上と精度の向上を実現するお手伝いをします。