図1に振動する音源から平面音波が放出され,図の右方向に伝搬している様子を示します。音波は音速で進行しますが,音速ではなく粒子速度という概念があります。粒子速度は小さな空気の塊(粒子)の振動速度です。例えば 1000 [Hz] の音が聞こえているとしましょう。粒子は 1000 [Hz] で左右に振動することになります。
粒子速度と粒子位置の圧力(ゲージ圧)の積が瞬時音響インテンシティで次式で定義されています。瞬時音響インテンシティは,ある点における粒子速度の方向(音の伝搬方向)に単位断面積を通過する単位時間当たりの音響エネルギの瞬時値です。単位は [W/m2] となります。
音響インテンシティは瞬時音響インテンシティの時間平均値で次式で定義されています。
音響インテンシティはベクトル量なので方向を持ち,X方向成分 Ix,Y方向成分 Iy,Z方向成分 Iz があります。測定は2つのマイクで行い,X方向成分は2つのマイクをX軸上に位置させて行います。
音響インテンシティの各方向成分は,マイクの音圧 p1,p2 [Pa] から,次式にて計算することができます。
音響インテンシティの反対方向をさかのぼっていくと,音源を同定することができます。当ラボでは音響インテンシティ測定器を販売しています。このページです。