騒音・振動対策の考え方

当ラボにおける騒音・振動対策の考え方を紹介します。

モータを振動源とし,モータが載っている板が音源とします。まず振動源対策と,振動源の振動が板に伝わらないようにする振動絶縁が必要です。次に音源である板の振動を低減する音源対策が必要です。このように騒音対策は遮音や吸音をする前に音源の振動対策を先に行います。次に音源を遮音材で囲み,遮音材の内側に吸音材を設置します。

振動源である機械の改造や新設計が困難な場合は,部屋の騒音対策をします。機械を遮音材で囲うか,部屋の内壁に吸音材を設置します。吸音材の裏側に背後空気層を設けると効果的です。

騒音・振動対策のモデル

伝達関数の考え方を導入して騒音・振動対策を行います。

騒音・振動を周波数分析し横軸を時間軸ではなく周波数軸として,対策を立案したり対策案の効果を予測します。

下図にブロック図を示します。最初に振動を発生させるエネルギがあります。例えばモータに流す電流です。この周波数分析から対策立案のための多くのアイデアが得られます。図中 G1 は入力をエネルギ,出力を振動源の振動とした伝達関数です。この伝達関数を実験的に求めたり振動シミュレーションで求めて,対策を立案したり対策効果を予測します。

振動源の振動が音源である板に伝わる度合いも伝達関数で考えます。図中 G2 です。ここでは振動絶縁が有効になります。音源の振動による音の放射も伝達関数 G3 で表すことができます。G3 は多くのピーク成分を持つ関数となります。

音源を遮音材で囲うことを想定しましょう。遮音材のなかに吸音材を設置します。この効果はG4 で表現できます。遮音材は騒音の絶縁材として考えることができます。等価損失として周波数の関数として遮音材メーカから提供されています。G5 となります。

このように全工程を周波数の関数として伝達関数で表すことで,全体の見通しがよくなりどこに集中的に対策を講じるべきかがわかります。このような発想で当ラボは騒音・振動対策のお手伝いをさせていただきます。

騒音・振動対策ブロック図